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MONOZUKI’s blog

STAP細胞にかかわる特許請求の範囲を読む

【請求項3】

 多能性を示す細胞を選択する工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。

  The method of any of claims 1-2, further comprising selecting a cell exhibiting pluripotency.

 

>>ストレスによって多能性細胞が100%生成される訳ではないということを意味する。

 

3a) 明細書段落【0006】

1つの局面において、本明細書に、細胞をストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法を記載する。いくつかの実施態様において、方法は、多能性を示す細胞を選択する工程をさらに含み得る。いくつかの実施態様において、細胞は組織の部分として存 在しない。いくつかの実施態様において、ストレスは、細胞質の少なくとも約40%を細 胞から除去すること含む。いくつかの実施態様において、ストレスは、ミトコンドリアの 少なくとも約40%を細胞から除去すること含む。いくつかの実施態様において、ストレ スは、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%の細胞膜を破壊するために十分であ る。いくつかの実施態様において、細胞は体細胞、幹細胞、前駆細胞または胚細胞である 。いくつかの実施態様において、細胞は単離された細胞である。いくつかの実施態様にお いて、細胞は細胞の不均一な集団中に存在する。いくつかの実施態様において、細胞は細 胞の均一な集団中に存在する。いくつかの実施態様において、多能性を示す細胞を選択す る工程は、Oct4もしくはNanog、またはOct4およびNanog発現を発現す る細胞を選択することを含む。いくつかの実施態様において、多能性を示す細胞を選択す る工程は、接着性でない細胞を選択することを含む。

 

[0006] In one aspect, described herein is a method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress. In some embodiments, the method can further comprise selecting cells exhibiting pluripotency. In some embodiments, the cell is not present as part of a tissue. In some embodiments, the stress comprises removing at least about 40% of the cytoplasm from the cell. In some embodiments, the stress comprises removing at least about 40% of the mitochondria from the cell. In some embodiments, the stress is sufficient to disrupt the cellular membrane of at least 10% of cells exposed to the stress. In some embodiments, the cell is a somatic cell, a stem cell, a progenitor cell or an embryonic cell. In some embodiments, the cell is an isolated cell. In some embodiments, the cell is present in a heterogeneous population of cells. In some embodiments, the cell is present in a homogenous population of cells. In some embodiments, selecting the cells exhibiting pluripotency comprises selecting cells expressing Oct4 or Nanog, or Oct4 and Nanog expression. In some embodiments, selecting cells exhibiting pluripotency comprises selecting cell which are not adherent.

【請求項2】

 多能性細胞が外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質の導入なしに、 または細胞融合なしに生成される、請求項1記載の方法。

The method according to claim 1, wherein the pluripotent cell is generated without introduction of an exogenous gene, a transcript, a protein, a nuclear component or cytoplasm, or without cell fusion.

 

>>外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質の導入、または、細胞融合による、多能性細胞の生成方法は周知技術であり、細胞を敢えてストレスに晒す必要もないので当然に除外される。

 

2a) 明細書段落 【0020】

詳細な説明

 本明細書に記載の技術の局面は、細胞からの多能性細胞の産生または生成に関する。本明細書に記載の技術の局面は、外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質を細胞に導入する必要なしに、または細胞融合の必要なしに、ストレスが細胞からの多能 性幹細胞の産生を誘導できるという本発明者らの知見に基づく。いくつかの実施態様にお いて、ストレスは、細胞における細胞質および/またはミトコンドリアの量の低下を誘導 し;脱分化プロセスを惹起し、そして多能性細胞を生じる。いくつかの実施態様において 、ストレスは、例えば、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%において、細胞膜 の破壊を引き起こす。これらの多能性細胞は、3つの胚葉の各々に分化する能力(インビ トロおよび/またはインビボ)、インビボでのテラトーマ様細胞塊の生成、および生存胚 および/またはキメラマウスを生成する能力の1つ以上によって特徴付けられる。

 

 [0044] Aspects of the technology described herein relate to the production or generation of pluripotent cells from cells. The aspects of the technology described herein are based upon the inventors' discovery that stress can induce the production of pluripotent stem cells from cells without the need to introduce an exogenous gene, a transcript, a protein, a nuclear component or cytoplasm to the cell, or without the need of cell fusion. In some embodiments, the stress induces a reduction in the amount of cytoplasm and/or mitochondria in a cell; triggering a dedifferentiation process and resulting in pluripotent cells. In some embodiments, the stress causes a disruption of the cell membrane, e.g. in at least 10% of the cells exposed to the stress. These pluripotent cells are characterized by one or more of, the ability to differentiate into each of the three germ layers (in vitro and/or in vivo), the generation of teratoma-like cell masses in vivo, and the ability to generate viable embryos and/or chimeric mice.

 

>>発明者らの知見が正しいか否かは、「外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質を細胞に導入必要なしに、または細胞融合の必要なしに」という前提事項にかかっている。

【請求項1】 (カテゴリ:方法)

        細胞をストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法。

         A method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress.

 

>>生物細胞をストレスに晒すだけで多能性細胞を生成できることに、いままで科学者が気づかなかったとは考えにくい。

 

1a)明細書段落【0147】

 実施例1

全ての生物は原始的な生存本能を保有している。植物が重大な外的ストレスに供される と、それらは、細胞の脱分化を引き起こしそして損傷領域または生物全体の再生を可能にする、生存するための機構を活性化させる。そのような機構は下等生物が極度の環境変化を生き延びるために重要であるようであるが、それは哺乳動物においてはまだ立証されていない。

 

EXAMPLE 1

 [00171] All organisms possess a primitive survival instinct. When plants are subjected to significant external stresses they activate a mechanism to survive that causes dedifferentiation of cells and enables regeneration of the injured area or the entire organism. While such mechanisms appear to be essential for lower organisms to survive extreme environmental changes, they have yet to be documented in mammals.

 

1b)明細書段落【0148】

本発明者らは、物理的ストレスが、成熟哺乳動物細胞を、植物および下等生物において見られるものに類似した、幹細胞状態に復帰させ得ると仮定した。この仮説を検討するために、7つの成体体細胞組織から入手した熟細胞を研究した。まず、どの物理的ストレ スが成熟細胞を変化させてより成熟でない状態に復帰させることに最も有効であり得るかに焦点を合わせるために、Oct4-GFPマウスから回収したCD45陽性リンパ球を研究した。このマウス由来の細胞は、幹細胞特異的Oct4プロモーターが活性化される と幹細胞表現型への復帰の読み出し情報(readout)を提供する。成熟し、完全に分化した細胞をいくつかの重大な外部刺激に曝露した。

 

 [00172] The inventors hypothesized that physical stress may cause mature mammalian cells to revert to a stem cell state, similar to that seen in plants and lower organisms. To examine this hypothesis, mature cells procured from seven adult somatic tissues were studied. To first focus on which physical stresses might be most effective in altering mature cells to revert to a less mature state, CD45 positive lymphocytes harvested from Oct4-GFP mice were studied. Cells from these mice provide a readout of reversion to a stem cell phenotype when the stem cell specific Oct4 promoter is activated. The mature, fully differentiated cells were exposed to several significant external stimuli.

 

>>請求項1に記載の「細胞」に植物および下等生物の細胞が含まれるとすると、新規性がない。

   したがって、請求項1に記載の「細胞」には、植物および下等生物の細胞は含まれないと解釈される。

  哺乳類以外の脊椎動物では、どうだろうか?

 

1c)明細書段落【0152】

 諸言

 全ての生物はそれ自体を環境に適応させそしてその身体を再生することによってストレ ス性刺激に関連する損傷を生き延びるための共通の本能を有しているようである。植物において、個体発生は、接合子だけでなく完全に分化した細胞および未成熟の花粉において も観察される。脊椎動物において、イモリはその肢を含むいくつかの解剖学的構造および 器官を再生する能力を有する。植物およびイモリの両方によって示される驚くべき再生 能力が外部刺激によって誘導され、これが以前には完全に分化していた体細胞の細胞性脱分化を引き起こすことに特に留意される。生命の最も初期の形態から何十億年も経過し、 そして様々な生物が特有の方法で進化してきたが、この生存本能は現代の生物の共通の祖先から受け継がれているかもしれない。最終分化した哺乳動物細胞は分化プロセスを逆転 する能力を有しないと通常考えられているが、哺乳動物は強烈な環境変化に応答して死を 回避するための以前には認識されていなかったプログラムを保持しているかもしれない。

 

[00177] All organisms appear to have a common instinct to survive injury related to stressful stimuli by adapting themselves to the environment and regenerating their bodies. In plants, ontogenesis is observed not only in zygotes but also in fully differentiated cells and immature pollen. In vertebrates, newts are capable of regenerating several anatomical structures and organs, including their limbs1. Of particular note is that the remarkable regenerative capacity demonstrated by both plants and newts is induced by external stimuli, which cause cellular dedifferentiation of previously fully differentiated somatic cells. While billions of years have passed from the earliest form of life, and different organisms have evolved in unique ways, this survival instinct may be inherited from a common ancestor to modern-era organisms. Although terminally differentiated mammalian cells are normally believed to be incapable of reversing the differentiation process, mammals may retain a previously unappreciated program to escape death in response to drastic environmental changes.

 

>>イモリの黒焼きを知る人であれば、その再生能力は有史以前から公知であると思うに違いない。

 

>>起案日平成29年 2月23日付け拒絶理由通知書で担当審査官は、

 

 ・引用文献1(国際公開第2011/007900号)において、低酸素条件や低栄養条件等の細胞ストレスへの暴露と、生き残った細胞を回収することを含む多能性幹細胞又は多能性画分を生成・単離する方法が記載され、

  得られた細胞はNanog等の多能性マーカーを発現する点(第41頁第3段落)、同細胞等を薬剤スクリーニングに用い得る点(第29頁最終段落)、同細胞等を再生医療等の治療用途に用い得る点(第30頁第1,2段落)について開示されている。

 ・引用文献2(国際公開第2009/057831)には、体細胞から人工多能性幹細胞を製造する方法であって、Octファミリー遺伝子等を体細胞に導入する工程を含む方法が記載され、得られた細胞は各種多能性マーカーを発現する点、ES細胞と同様にゼラチンコードした組織培養プレートには接着しなかった点([0078])、同細胞等を薬剤スクリーニングに用い得る点([0056]-[0059])、同細胞等を治療用途に用い得る点([0058])について開示されている。

 

  と指摘している。

 

INTRO

STAP細胞(*1)という馬の又に虫が入り込んだような騒々しさが去ってしまった昨今、

一般には読まれることが少ないと思われる

特表 2015-516812(国際公開WO2013/163296)の

特許請求の範囲を読んでみようという趣向です。

STAP細胞が存在云々の問題は机の引き出しの奥にでも仕舞い込んでおきましょう。

 

なお、原文テキストは、OCR 処理によってテキスト化されており、誤記には一切関知しません。

 

(*1)明細書【0198】 から引用

「本明細書中以下で、低pHのような強い外部刺激による体細胞から多能性細胞への運命転換を「刺激惹 起性多能性獲得(stimulus-triggered acquired pluripotency)」(STAP)といい、 そして得られる細胞をSTAP細胞という。 」

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